こんにちは。ENTiP 弁理士・行政書士の 山中です。

連日、音楽ネタを投稿しているのですが、決して筆まめなわけでも、毎日投稿できるほどのネタを持っているわけではないありません。たまたま、(ちょっと)縁のあるアーティストの、来日公演が続いているだけなんです。

昨日のテイラー・スウィフト(Taylor Swift)に続いて…
https://entip.jp/topics/71/

本日は、

クイーン+アダム・ランバート(QUEEN + Adam Lambert)です。

昨日・今日と東京ドーム公演ですもんね。行かれる(行かれた)方は、大満足まちがいなしだと思います。

 

ところで、もはや、自分でも信じられなくなってきましたが、実は彼らとも、お仕事をさせていただいたことがあります。招へい元として、2016年の日本公演に関わらせていただきました。

ところで、クイーンのレコード会社は、日本でデビュー時はワーナー・パイオニアから、そしてその後、配給が東芝EMIへと移りましたよね。

私は後者に在籍していましたが、当時はクイーンのプロダクトに関わることはできませんでした。しかし、キョードー東京(※2016年公演の招へい元)に転職したあと、こうして公演を通して少しでも関わることができたのはとても光栄でしたし、

日本でここまで多くのファンを獲得してきたのは、彼らに関わってきた音楽業界の多くの先輩方のおかげであることを噛み締めながら、「31年ぶりの日本武道館公演」(追加公演含め3発)は、大成功に終わりました。

しかし、このツアー、自分としてはとても苦い記憶と共に刻まれています。当時は、行政書士としてではなく、招へい元として興行ビザ(※日本サイドで手配するのは、ビザ発行のための「在留資格認定証明書」(通称 COE)は全く問題なく手配されました。しかし、招へい元の仕事の最終仕上げは、来日(入国)から始まります。トラブルは、その直後に起きたのです。

羽田空港には、アーティスト側から指定された車種(※日本では台数の少ない、変わった車種のものも含まれていました)を手配し、あとは出迎えるだけ。自分はモノレールで向かっていたところ、(旅行会社を経由して車両を手配した)ハイヤー会社のスタッフから携帯に連絡が。とにかくひたすら謝罪されるのですが、訳がわからず…

自分もなんとか冷静に聞いてみると、要は「ダブル・ブッキングしてしまい、指定された車両を用意できていない(ので、これからお詫びに参ります)」という趣旨の電話だったのです。

いくら現場で謝罪されたとしても、指定された車両が用意されていないなんて、アーティストに言い訳のしようもありません。私も、旅行会社も、寝耳に水だったので、ひどく取り乱しましたし…しかし、いくら責任を追求をしても、無いものは無い。腹を括って、代わりの車とと共に、アーティストの到着を待ちました。

当たり前なのですが、到着したツアー・ダイレクター(※ツアー・パーティーを統括する、アーティストを除けば一番偉い人です)には、「どういうことなの?」と叱責されました。詫びることしかできません。

しかし、ここで救われたのは、QUEENのお二人(もちろん、ロジャー・テイラーと、ブライアン・メイです)と、アダム・ランバートは、何事もなかったように、代わりの車に乗って、ホテルへと移動してくれたのです。

それこそ、レコード会社に入ったばかりのとき、上司から、アーティストの来日にあたり(※プロモーション来日の場合は、レコード会社が仕切ります。最近は随分少なくなったようですが)、3つの注意点を授かっていました:

「食べモノ」「乗りモノ」「泊まりモノ」

要は、食事・交通・ホテルの手配のどれかで、一回でもミスってしまうと、上手く行くものも行かなくなる、という教えでした。今回のような「乗りモノ」のミスが、その後、大きな問題に発展していくことも、十分にあり得たのです。

ところが、前述の「アーティストの寛大な対応」があったからこそ、大過とならず、前述の武道館3公演が無事に実現したのでした。

(ちなみに、ぼくに責任を押し付けるどころか、私と一緒にツアー・ダイレクターに怒られてくれて、しかも「仕方ないよ」と慰めてまでくれた、ツアー・エージェントの現場スタッフも、自分にとっては恩人です)。

最後に、あまりに多すぎるQUEENの名曲の中で、個人的に一番好きな曲って何かな…といえば、これですかね。もうフレディも、デヴィッド・ボウイもこの世にいないなんて寂し過ぎますが、そんな時代にもこの曲がライヴで聴けるなんて、アダムにも多大なる感謝をしています。