こんにちは。ENTiP 弁理士・行政書士の山中と申します。

今年もこちらではコラム(… という名のつぶやき、ぼやき?)更新はできませんでしたが、仕事の方はおかげさまで充実しておりました。

行政書士として、外国人アーティストの入管への手続き(申請取次)を中心に多くのライヴイベントに関わらせていただいたのは刺激的でしたし、弁理士としては、提携して在籍しているONION商標を通じて、さまざまな商標登録(新たに、省庁やプロスポーツチームからのご依頼もいただきました)に携わられていただいたのも光栄でした。

また、趣味(と言いながら、仕事と全く無縁でもない…)のエンタメ方面では、

残念ながら、応援しているベイスターズは優勝できず・期待していたバウアー投手も本領発揮とはならずシーズン終了後に退団してしまいましたが、

【不定期ベイスターズ・コラム】勇者の遺伝子(DeNA)は、星や鯨にあり〜その3 「2025年のバウアーに期待するのは、ベイスターズを優勝に導くことだけではない」
https://entip.jp/topics/349/

まさか再び、オアシスのライヴを見れることになるとは、それが若い時にみたライヴと同じぐらいの多幸空間 x 50倍くらいの規模で体感できるとは、思いませんでした。

【弁理士のつぶやき(ときに長め)】「oasis 大感動の来日公演終了!で、ふと気になった『あのロゴマークの商標登録』はどうなってる?」(※ONION商標ウェブサイトに寄稿した記事です)
https://onion-tmip.net/update/?p=3347

そんな中、今年すごく実感してしまった件について、年末につぶやいておこうと思います。それは、昨今すっかり市民権を得た

「推し活」文化

についてなんですが、自分の性格・活動を振り返って、つくづく

「推し活」体質じゃないな、自分は!

ということなんです。それを確信したのはこの記事を見てですね

タワレコ渋谷店が大幅リニューアル 渋谷のカルチャー発信拠点が“音楽”と“推し活”の新聖地をめざす 11/4(火)より順次改装し、来年2/28(土)フルオープン
https://tower.jp/article/news/2025/10/20/n101?srsltid=AfmBOoo9CHSS3ItAE81j_GzD9GY3CkFiLXiXhcCdg475aokl7PlmcchC

この記事を読んで、具体的にどのようにタワー渋谷が生まれ変わるのかイメージし切れないので、それは2月末のフルオープンを待つしかないのですが、この記事でも「“推し活”の新聖地を目指す」とあります。つまり、「特定の応援するアーティストが提供するさまざまな商品・体験を、楽しみながら購入しやすくする」ということだと受け止めています。

しかし、考えてみると、自分って、

「特定のアーティストを『推し』たことって、本当ないよなぁ」

と(※ちなみに、ベイスターズでも、特定のひいきの選手っていないんです。よく言えば「箱押し」ですが)。

子供の頃は歌謡曲全般が好きで、80年に「聖子・トシちゃん」がデビューして再活性化されたアイドルシーンも楽しんで聴いていましたが、シーン全体が好き、あるいは「好きな曲単位で、好き」というだけで、特定のアイドルを応援したことってないんですよね。強いて言えば「岡田有希子」さんは好きでしたが、ポスターやブロマイドを買ったりはしなかったもんな。竹内まりやさん作の楽曲の魅力も、彼女を好きであることのかなりの部分占めてたし。

それは、中学生になって洋楽を中心に聴くようになって、タワーレコードに足を運ぶようになってからも同様で。Nik KershawとかMADNESSとかはその頃からずっと好きだけど、熱狂的ファンか?と言われるとそういう感じじゃないし。その点、特に入れ込んでいてグッズまで買ったといえばフィンランド出身のこの人達ですが、それも「ファンになった途端に解散してしまった」ことが悔しくて、(再評価まで)消えかけていきそうな存在をムキになって追いかけていた、という意味合いのが強いかもしれません。

(HANOI ROCKS 「Boulevard Of Broken Dreams」)

そういう自分は、「かつてのタワーレコード」にとっては、上客だったと思います。さまざまなタイプ、ジャンルのアーティストのレコードやCDを、たくさん買っていたのですから(まぁ、一番買っていたのは、「一枚の作品にさまざまなアーティスト(Various Artists)の楽曲を収録した、コンピレーション」だったにしても)。

しかし、そういう“客“ほど、音楽消費はストリーミング・サービスに向かったわけで。実際、自分も、CD店に足が向かうことは極端に少なくなってしまいました(たまに買うとしても、それは「通販」がメインですし)。

こうした「かつての上客」に固執しすぎることなく、新たな「推し活」ユーザーたちを惹きつけ、過去最高ともいわれる好業績をあげているというタワーレコードさんには、最大限のリスペクトを贈るしかありません。

しかし、勝手に足を遠ざけておいて、「上客気分で行ける場」を失った寂しさが、虫のいい自分には少し残るんですね。そんな「非・推し活」体質の自分を、受け入れてくれる場はあるのでしょうか。

まず、いろいろなアーティストの楽曲が聴ける場としては、

ヒットチャート

がありますが、これはあくまで「バーチャル」な場だし、その「多様性」も、ティーンエイジャーの頃に感じていたものに比べると、十分に担保しているとは言い切れません。

【エンタメねた】Billboard Japanの「リカレント」ルール導入に、懐かしさ?を感じた古参チャートマニア
https://entip.jp/topics/525/

そうなると、最後の砦として、

音楽フェス

が考えられます。フェス=Various Artistsが当たり前ですから。
しかし、ここでも、「洋楽アーティストも出るフェスの、ターゲット世代の若返り」「大物洋楽アーティストのギャラの高騰化=単独ツアー優先志向」により、なかなか自分の好きなアーティストたちが見つけられないという壁もあります。

いや、邦楽だって聞いてますから、邦楽フェスだっていいんですよ。ただ、特に多い「夏フェス」には、「酷暑化」という、中高年に高い壁も新たに立ちはだかっているわけです(※若者にですら”壁”な暑さなんだから)。

そんな中、大事にしていきたい音楽フェスが、こちらです:

「rockin’on sonic」(2026年は1月4日開催)
https://rockinonsonic.com/

自分が長年聴いてきた洋楽アーティストを中心にキュレーションしてくれた、「室内冬フェス」です。第一回目となった今年のお正月はWEEZER見たさに参加したのですが、来年も(同世代の友人と共に)参加予定です。「非・推し活」志向のエンタメおじさんを、やさしく受け止めてくれる場として、ぜひ盛り上げて、死守しなければならないのです(真剣)。

(WOLF ALICEも楽しみです。)

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(追伸)「タワーレコード渋谷」改装では、こんな記事も見つけました。

タワレコ渋谷店が大幅リニューアルへ 店長を取材「“推し活”と“音楽愛”の共存」を目指す(日テレNEWS)
https://news.ntv.co.jp/category/culture/fb051224b600406abe153577f31011a3

店長さんへのインタビューで、こうあります:

「同時に、長年音楽を愛し続けてきた30〜40代以上のファンにも楽しんでいただけるよう設計しています。たとえば、TOWER VINYL SHIBUYAのアナログエリアや新設のビアバーでは、音楽を“聴きながら語れる”ような空間を意識しています。“推し活”も“音楽愛”も、世代を越えて共存できる店。それが今回の渋谷店のテーマです」と明かしました。

…よかった。当方、”音楽愛”ならまだ持ち合わせてます。お酒は強くないけど、ビールは大好きです。新しい「タワー渋谷」も、自分を受け入れてくれそうです(嬉涙)。