こんにちは。ENTiP 弁理士・行政書士の 山中です。

宇多田ヒカルさん、25周年、おめでとうございます!

ベスト・アルバムと連動した全国ツアー『HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024』が開催中ですが、自分も、さいたまスーパーアリーナで行われた公演を拝見しました。

25年前…実は自分も、彼女がデビューした「東芝EMI」に、社員として所属していたのですが、まさに彼女(たち)に、食べさせてもらっていた、みたいな感じでした。

と言うのも、当時の東芝EMIは、「邦楽本部」「洋楽本部」とように分けるのではなくて、大きなレーベル : EMI(Capitol)、Virgin、Strategicと3つに分け、それぞれに邦楽ディビジョンと洋楽ディビジョンをぶら下げる、という取り組みをしていました。

【レーベル・ロゴの世界】第1回「Virgin」(※筆者が手掛けるサービス「ロゴトアール」サイトより)
https://logoto-r.com/20/

自分はVirginの洋楽ディビジョンで制作を担当していたのですが、いかんせん実力不足で、なかなかヒットを出せずにいました。そんなVirginを支えていたのが、まさに宇多田さん(や椎名林檎さん)たち、邦楽ディビジョンのニュースターたちでした。

もっとも、デビュー前は社内で電話番のバイトをしていた林檎さんなんかは、直接接する機会もあったものの、宇多田さんは縁遠い存在だったのですが、

深夜までデスクで悪戦苦闘していると、デビューから(そして今も)彼女のマーケティング担当をされている方が、「ヒカルちゃんが、(自分が担当していた)Virginの洋楽アーティストのCD聴きたがってるんだけど!」とよく来てくれて、サンプル盤の交換などしながら、
「トップスターにも注目されるような、素晴らしい洋楽アーティストを担当させてもらってるんだから、自信を持って、もっと多くの人に伝えないと」と、勝手に励まされていました。

さて、それから長い月日が流れましたが、今回のベスト・アルバムに伴うツアーで、末席も末席ながら、やっと少しだけお手伝いすることができました。

今回のバックバンドや演出などのスタッフは、世界的に活躍しているアーティストばかり、つまりほとんどが外国人なので、「興行ビザ」を取得しなければいけないのですが、行政書士としてそのお手伝いをさせていただいたのです。

これは、私のもう一つの古巣・キョードー東京さん経由でいただいた機会なのですが、
EMI時代に関われなかったアーティスト、たとえばPaul McCartney、The Rolling Stones、Queen、Brian Wilson等に、キョードー東京在籍時に関われたのはほんとラッキーだったのですが、今回そんな「ささやかな恩返し」リストに、宇多田ヒカルさんも加えることができ、嬉しく思っています。

さて、ライヴについては、素晴らしいの一言でいいかなと思うんですが、
ちょっと驚いたのは、途中で宇多田さんがMCで、「(ライヴ)はじめましての人?」と聞いたところ、ざっくりアリーナ席だと半分強のオーディエンスが手を挙げていたところ。
もちろん、もともとツアーがそんなに多いアーティストでもないし、昔からのファンの方でもなかなかチケットが入手できなかったための「初めて」という方もいらっしゃるんでしょうが、

前回2018年からの6年の間に、新たにファンになったオーディエンスもいなければ、それほどの挙手にはならないと思うんですよね。あまりにも国民的なヒットの連打だけでなく、現在「進化」系のアーティストであることを、まざまざと実感した瞬間でした。

個人的にも「自分は日本人でよかったし、日本で洋楽聞いてきてよかったし、これからも国内外の新しい音楽に目を向けていこう」という勇気を、改めてもらった感じです。

いやしかし、最後の曲(※ネタバレはしませんよ)のイントロが始まった瞬間、涙腺が崩壊したのは、自分でもびっくりしたわ…。

HIKARU UTADA さんと、みんなの25周年。改めておめでとうございます!